優しくしないで
第10章 友情の取りこぼし
「……最後に…“ごめん…”
って…」
剣が…昨日の最悪を思い出し…
眉間のシワを更に深くさせていた…
“覚悟してたのに…”
やっぱり…太一は…自分で…
私は…ほとんど下着姿で…
剣に触れた…
『…剣…太一は…?』
「…救急車の中で蘇生が行われていたけど…
内蔵が損傷して…肺に…血が貯まって…
呼吸が出来なくなっていたんだって…
肺の血を取る処置が行われたが…
他も…」
剣の……苦しそうな顔…
辛かったにちがいない…
友達の死に向かう姿を…見てしまったのだから…
今にも泣きそうな剣の顔に…そっと…指を…沿える…