優しくしないで
第11章 何もできない…一日
剣を見ると…
強く手を握り、俯いた…
「太一は……
何でも出来る…不器用な奴でした」
「何でも…出来る…
不器用な…奴?
ずいぶん矛盾しているね…」
疑問を隠せない仁さんは…
私を見た…
「太一は…不器用だよ…
やろうと思えば…何だって出来るやつなのに…
…留美も静も…幸せにしなかった…
二人を傷つけた……
俺は、それを知ってたのに!!!アイツを急かすことや、傷つける事ばかり言った!!!
追い詰めれば…答えを…出すと思ったから!
くそ…くそ…悔しい…
悔しい…」