優しくしないで
第5章 夏のつま先
剣は私をプールサイドに残し、飲み物を買いに行った
夏休みのプールは恐ろしく混んでいた
剣の告白に
動揺したのは確かだったが…
友達でいい…
と、言ってくれた
剣に甘えることにした
プールには、
楽しく遊ぶカップル…
この中に…
太一と静ちゃんもいる…
無意識に
下唇を噛んだ
「あれ?剣は?一緒じゃね〜の?」
『留美ちゃん一人?』
プールの中から太一と静ちゃんが流れてきた…
ズキンと…胸の奥が…
『あ…飲み物買いに行った』
『え〜!!!私も飲みたい!!!今行けば、剣のおごりかも!私、ちょっと行ってくる』
静ちゃんはプールから上がると、ぴょこぴょこと剣が向かったフードコートに行った。
『太一…普通…男の人が買いに行ってあげるんじゃないの?』
「俺が言う前に、静が行ったんだろーが…」
水面から顔を出し、
プールサイドに頬杖をする太一…
長いまつげが水に濡れてキラキラしている…
「青のビキニ…か…悪くないな。
白い肌が、やけにエロく見える」
『/////なっ…////』
いきなり恥ずかしくなった…
そんな風に見てたの?
すると、太一は私の腕を掴んで…
プールに引っ張った!!!
『やっ!!!』
ドボッ!!!
私はプールに落ちた!!!