優しくしないで
第7章 残酷な呪文
仁さんが電話を切る…
うずくまる私をギュッと抱きしめた…
「……状況は…解った…
留美ちゃん……大丈夫?」
『………じゃない…
大丈夫…なんかじゃない…
私が…私が…
太一を…殺したんだ…
太一を苦しめてた…
太一に…
全て…背負わせて…
現実を…
受け入れたくなくて…
全て……
全て…
太一に…背負わせた…
…全部…受け入れてくれた
全部…飲み込んで……
私は、自分ばかり…
自分ばかり…
辛い気でいた…
太一の方が…よっぽと…
私が…死ねばよかったんだ
私が…
太一は…
生きなきゃいけない人間だったのに
私が――――――――』