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優しくしないで

第7章 残酷な呪文

高校二年の春……




歪んだ心のまま

私は進級した






ただ…陸上があったから


何とか太一との関係は
“いつも一緒にいる友達”だったが、それで我慢できていた




静ちゃんの知らない、

走る太一を私は、知っている…
走った後の…汗の雫を…
知っている…



それだけが…


静ちゃんに勝てる


唯一の繋がり…









でも―――――――…




あの日…











「!!!留美―――――!!!
――――――危ない!!!!!!」








太一の声…





記憶は…ここで…








―――――――…






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