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「初めまして！ 私、エルナと言います！」


突如として現れたその少女はそう名乗った。


相変わらず理解できない状況に僕は言葉が出せない。


「え？ あ……、え!?」


「あの……。すみません、大丈夫ですか？」


「え？ あ……、 うん……。
あ、あれ……。君は一体・・・？」


「はい。私、エルナと言います！」


「うん……。
あ、いや……。そうじゃなくって……」


「あれ？ 分かりませんか？」


そういうと彼女は背中を振り返り、翼を一二回羽ばたかせた。


「ええっと……、天使・・・？」


「はい、正解です！」


僕がそう答えると、彼女もまた声を弾ませて答えた。


それでもまだこの状況は理解できない。


大体、いきなり目の前に天使が現れたなんて信じられるものか。


でも目の前にいる女の子の存在。


しかもその彼女は金色（きんいろ）みがかった長い銀髪、サファイアのような蒼い瞳、真冬なのにキャミソールのワンピースという普通じゃ考えられない姿。


そして何より背中には純白の翼がある。


改めて見るとやっぱりこの容姿は天使といわざるを得ないだろうか。