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聖夜に天使は舞い降りて~angel only for me~

第2章 天使は聖夜に舞い降りて……

でもこの娘(こ)が本当に天使だとして、どうして僕の所なんかに?


理解しえない状況と新たな疑問に、僕は増々言葉を失った。


「突然驚かせてすみません。
でも私はあなたの下(もと)に降り立てるのをずっと心待ちにしていたんです───」


「ちょ、ちょ、ちょっと待って。君は本当に天使……、なんだよね?」


「はい、そうですけど……」


「じゃあその天使さんは、どうして僕の所なんかに?」


「はい、それはですね。
あなたが私の羽根を拾ってくれたからなんです」


「羽根・・・?」


羽根といえば、さっきの羽根の事だろう……。


そう思い、僕は手に持っていた白い羽根を差し出した。


「羽根って……、もしかしてこれの事?」


「はい! でもその前にあなたは私の羽根を拾ってくれていました」


その言葉に思い出すのはあの時の光景。


「その前に……って事は、あの帰り道に拾ったあの羽根がもしかして……」


まさかあれが今のこの状況を生み出しているというのか……?


「はい、それを頼りに私はあなたの下(もと)に降り立てたんです」


だんだん繋がってきた糸と糸。
まだ半信半疑ではあるものの、少しずつこの状況が理解できてきた。


とは言っても、天使が舞い降りてくるだなんてそんなのあり得るわけが……。


ましては夢じゃあるまいし……。


・・・・、夢?

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