恋して桜!
第13章 私を見守ってくれる人
辿り着いたのは小間物屋。
底には色とりどりの紅や鏡、櫛などが置かれていた。
小間物屋主人「いらっしゃいませ、奥様に贈り物ですか?」
以蔵は奥様との単語に反応し、赤くなる。
以蔵「いや、あの…
大切な人に…贈りたいんだけど、
あまり手持ちがなくて…」
以蔵は小声で、主人に伝えた。
小間物屋主人「うーん…そうか。
それなら私は魚が好きなので、魚を銭の代わりにお持ちください。
その魚の分、商品をお渡しします。
ただ、値が張りますよ。」
以蔵「ありがとう!!これから魚、釣ってきます!」
言うが早いか以蔵は川に向かった
小間物屋主人「なんだか、自分の若い頃を思い出すなぁ…」
小間物屋の主人も若い頃、
以蔵のように恋い焦がれた人がいたからこそ、
この対応になったのだろう。
主人の話はまた別の話。