年下の彼に一目惚れをしました。
第3章 #3
「羽柴くんっ!!」
私の声に気付いたのか、
何人かで彼自身の体を押さえられて
いる羽柴くんと彼自身の体を
押さえている人、羽柴くんから殴られた
男の子が私を見る。
羽柴くんは私を見て押さえている人を
押し退けて、何処かへ歩いていく。
私は只、彼の背中を見守る事しか
出来なかった。
「あの、伊織の彼女さん?」
ぼーっと彼の背中を見守っていたら
さっき羽柴くんから殴られた男の子が
私を見て問いかける。
「え、やっ…違いますっ」
私は首を横にブンブンと勢い良く
振って全否定。
「あの、俺の代わりに
追いかけてくれません?
伊織、今俺のせいで苛々してるから
俺が行ってもまた喧嘩に
なるから」
「え…でも、君を保健室に…」
「私が連れていくから、
憂里は追いかける」
振り向くと千夏が腕を組んで仁王立ちで
私と殴られた男の子を見ていた。