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ちょっと苦手な王子さま

第1章 第一章





今日は憧れの桜ノ森高等学校の入学式。

この制服を着るのがすごく夢だった。

少し茶色の生地にチェックが入ったスカートに少しフリルが付いたベージュのブレザー、赤くチェックが入ったリボンにも少しフリルが入っている。



「この制服…ほんと可愛い!!」





「亜弓ー!早くしないと遅刻じゃない?」



「はーい!」

わたしは今朝早く起きたのに鏡の前でずっとこの制服を着た感動を噛み締めていた。




そして今日、わたし、原田亜弓は
入学生代表のスピーチを任されていた。


わたしは勉強だけは得意だから学校を首席で合格したのだった。


そう、勉強だけは。



人とのコミュニケーションや運動などは不得意だ。
どう接したらいいかわからないし運動もすぐに疲れる。

コミュニケーションが苦手だから当然、
恋愛なんかもしたことがない。

むしろ全く興味が無い。

そんな一時期の感情変化にどうしてそこまで燃えることができるのだろうか。

この世界は暇人だらけだ。


そう考えている。


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