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ちょっと苦手な王子さま

第1章 第一章



「あ…あゆみぃ…ありがどーーー」



そういうと神菜は泣き出してしまった。


神菜はまだ一日しか一緒に過ごしてないけど、常にニコニコしていて敵は少ないキャラの子なのかと思っていたけど…意外にも多いのかもしれない。そして、ほんとは弱いのね。


わたしは慣れない手で神菜の頭を撫でた。
こんなこと、したことがない。



「神菜、大丈夫?帰れる?わたし、そこの角を左に曲がって帰るんだけど、神菜は?」


わたしの家は、学校からまっすぐ道なりに進んで二個目の花屋さんのある信号で左に曲がってその少し狭い道を五分ほど歩いて左右に別れている曲がり角を左に曲がって10メートルほど歩いたところにある。

ごく普通の一軒家だ。



「あ、そうなの!?わたしはそこを右なの!それでね、少し歩いた所なの!!近いね!!」


「え、そうなの?」


「うん!!じゃあたくさん会えるね♪」


「たくさん…」




たくさん会える…か……。


「あ、わたしもう平気だよ!?もう近いから1人で帰れる♪」


「本当に?じゃあ気をつけて帰ってね。」


「うん、ありがとう!バイバイ!!」


「バイバイ、また明日。」



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