ホストに恋
第31章 31
「可愛いよな」
真理の赤ちゃんを見ながら太一が拓哉に言った
「うん…」
「拓哉、何かあった?」
「… 別に」
「拓哉?」
「どうなるんだろ…俺の未来…太一わ、瀬戸とのことどう考えてるの…」
「死ぬまで勇作といるよ」
「太一わ…すごいな」
「拓哉?」
「俺わ怖い…翔太のことめちゃくちゃ好き…だけど、時々このままでいいのかなって…俺ら男だし…子供だって……無理だろ…」
「そんな難しいこと考えなくてもいいよ拓哉。」
「翔太………最近、毎日違う香水プンプンさせて帰ってくるんだ…翔太の匂い…忘れちゃいそう…になる。」
「翔太が?」
「まぁ…客商売だし仕方ないんだけど、余計なことばっか考えて…頭おかしくなりそうで…」
「翔太わ拓哉を裏切ることわ絶対しない。」
「どうしてそんなことわかるの?」
「拓哉がいなくなってからの翔太を俺わ見てきたから…翔太の中わ拓哉でいっぱいで、見てるのもつらかった……つらかった…だから俺…翔太と…翔太と…一回だけ寝たんだ…」
「太一?今、なんて?」
「ごめんね拓哉……酔った翔太を誘ったのわ俺なんだ……抱いてもいいって言ったんだ……」
「……そ」
「でも、翔太わ俺だきながら拓哉の名前呼んでた……」
ガタン…
拓哉が立ち上がり、走り車でどこかへ向かってしまう
「拓哉……ごめんね」
戻らない拓哉が心配になり店に向かう太一
「太一!!どうした?顔色悪い…」
「翔太!!ごめんね!!拓哉に、話した…」
「ん?」
「俺たちが寝たこと……」
「なんだと!?!」
「拓哉…出てったきり帰ってこないから心配で…」
「太一!!店番頼む」
街中探すが見当たらない
「拓哉……」
帰り道、店の車が、あの河原に停まっていた。
周りを見回す
暗がりの橋の上に立つ拓哉を見つける、月が水に映り反射で拓哉の顔が見えた。
明らかに泣いていた