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最後のキス~琉球の海を渡る風~

第4章 Forever~永遠~

 そこで藍那はハッとした。
 そう、こんなときに首里天加那志の側を離れてはいけない。強い想いが込み上げてきて、彼女は慌てて王の寝所へと引き返した。
 寝所の前まで歩いてきた時、随分と騒がしいのにまず不吉な予感が警鐘を鳴らした。
 庭には重臣たちが集まり、空を降り仰いでは口々に叫んでいる。
「星が堕ちたぞ」
「不吉だ。何か王国に悪しきことが起こる前触れかもしれぬ」

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