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ボ イ ス

第2章 *始まり



「えっ…?」


何だろうと思いつつも、彼の差し出してきた右手の下に自分の両掌を広げながら差し出した。



ポトン…



「これ…」



ウサギのマスコット…



「…もう無くさないようにね。」


「えっ…」



顔を上げたとき、彼はすでに私に背中を向けていた。


その背中はとても大きくて。

あの声はとても優しくて。




ウサギのマスコットが見つかった喜びよりも、他の感情が私の心で大きかった。









…ーーーそのせいで気づかなかった。なぜ彼がウサギのマスコットが私のだと知っていたのかーーー…


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