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ボ イ ス

第2章 *始まり



しゃがみこんで白いウサギのマスコットを探すが見当たらない。


「…やっぱりないよなぁ…」


私は小さなため息を吐き、ゆっくりと腰を上げた。



「キャァッ!!」




教室に戻ろうと身体をくるっと振り返らせると、そこに長身の男の人が無言で立っていた。



「…っあ、ごめんなさい。ビックリしちゃって…」


「………………………。」



え、無言?



「あ、あの…」


スッ…


彼は握りしめた右手を静かに差し出してきた。


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