
ボ イ ス
第2章 *始まり
「あっそーですかぁ。なら悠人には、早苗様特製滑らかプリンあげないから!」
「えぇっ!早苗様まじごめんなさい!早苗ちゃん存在感ありすぎて眩しいっ!!」
この二人、ほんと早くくっつけば良いのにって思う。
早苗は“悠人は兄弟みたいなもん!”って言ってるけど、悠人はそう思ってないだろうしなぁ…
グイッ…
「わぁ?!」
「佳奈行こう!悠人なんかほっとこう!」
ま、いつも最終的にはこうなるというね…
「…あれ?」
早苗が私の鞄を見つめながら首を傾げた。
「佳奈、ウサギのキーホルダー…なくなってない?」
「えっ…?!」
私はガバッと鞄を引き寄せ、キーホルダーの紐に触れた。
「ほんとだ!紐はあるのに…ウサギちゃんがいないっ!」
