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ロイヤル&スレイヴ!

第4章 3.ウワサのあのコとあの4人


「奨学金制度…」


オウム返しで私は呟くと、同じ言葉を心の中で反芻させた。

頭をよぎるのは前の学校の先生。

私の身を案じて、進学先を紹介してくれた、担任の先生。

女子限定の奨学金制度がある、とこの学園を教えてくれた。


「みーゆちゃんっ、そんな不安そうにしないの」

私の頬をちょん、と指でつつく暁くん。

ニッと白い歯を見せて笑った暁くんは、俺にもなんか取って、と背もたれ部分にゆるく腰掛けてはテーブルへと手を伸ばしていた。

私はちょうど近くにあったお菓子の詰め合わせから、袋に入ったプレーンのマドレーヌ選ぶ。


「ん、ありがと未結ちゃん。だいじょぶだって、ちゃんと恭介が説明してくれるから」

マドレーヌを受け取った暁くんは私の頭をぽんぽん、と撫でてくれた。

あまりにも優しい手つきは私の胸の奥を締め付ける。



この空間、キラキラオーラの人たちに全方位固められている気がする。

……もしかしなくても心臓が持たない。


「土鈴学園独自の制度の一つに女子生徒だけに適応される奨学金制度があります。
暁の言った通り、この奨学金制度で入学した生徒は、『クイーン』を目指すことが絶対となっているんです」

「ま、目指してなれるもんでもねぇけどな」

壁にもたれたまま、猛くんがぼそりと呟く。

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