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ロイヤル&スレイヴ!

第4章 3.ウワサのあのコとあの4人


そう。

私がこの学園に通えているのは、ロイヤルトップのおかげなんだ。


私とこの人たちとじゃ生きる世界が違う。

そんな風に思えてしまった。


そんな風に思ってしまう、自分が悲しかった。


「つまり、俺たちが金を払ってまで通わせるほどの価値のある女なんだから、クイーンになって当然。ってわけ」

「猛!」

「なんだよ。賢いもっともらしい言葉並べたって仕方ないだろ」

あまり積極的に話へ加わっていなかった猛くんが、呆れかえった声色でぼそりと述べる。

声を荒げた滝くんに一瞥すると、小さく溜息を落とした。

それから、私の方へと視線を移す。


「…引き返すのは今のうちだからな、未結。
こいつらの口八丁手八丁に乗せられてお前が辛い思いするんじゃ、プリンセスになる意味がない」

「もー。さっきからムスっとしてると思えば。…猛ちゃんはさぁ、未結がプリンセスになるの反対なわけ?」

私の隣で、楓くんは唇を尖らせる。

「未結の意思を無視してプリンセスにするのが反対なの」

壁から身体を離した猛くんは頭を掻き毟りながら私たちの座るソファまでやってくる。

すると、暁くんと同じような体勢で背もたれ部分に腰かけた。


「俺は、未結の気持ちを優先したい。
俺たちに窮地を救われたから言うこと聞かなきゃ、なんて思ってほしくないし、それじゃあこの学園の歪なシステムと変わらないだろ」

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