
ロイヤル&スレイヴ!
第4章 3.ウワサのあのコとあの4人
猛くんが吐き捨てるように語感を強めた。
私のことを心配しての言葉だって、分かる。
私が、この場の雰囲気に流されてしまわないように。
猛くんの言葉がなければ、思考をストップさせていたと思う。
何も考えずにプリンセスになることを受け入れていただろう。
誰一人嘘をついていたり、騙そうとしていたりしていないことは分かってる。
けれど、あまりにも壮大な話に委縮して肩身の狭い思いをしていたのも、事実で。
「猛、未結の不安煽るようなことやめろって」
たしなめるように滝くんが猛くんを睨む。
猛くんははいはい、と肩をすくめて見せた。
その様子を伺ってから、滝くんは私の方へと視線を向け柔らかく微笑んでくれる。
「もちろん、クイーンを目指すコトは強制しないよ。
未結がプリンセスを断ったとしても公表しない…っていうか、現時点では未結がクイーン候補なのは非公式だし。
俺たち以外誰も知らないからさ」
「とはいえ、奨学金制度を利用して入学した生徒がクイーンになった暁には、その生徒の奨学金は全額免除。
未結チャンにとっても悪いハナシじゃないとは思うんだけどなー」
「暁、お金がどうとかの話は一旦置いといてもらえる?」
「のんのん滝クン。むしろ話してあげなきゃ。
白いトコも黒いトコも見せなきゃフェアじゃないっしょ。
それに一番重要なトコロまだ話してあげてないじゃん?」
軽快なテンポで話す暁くんに対して、そうですね、と相槌をうったのは恭介くんだった。
眼鏡をくい、とあげてから口を開く恭介くん。
次の瞬間、予想だにしない衝撃的発言が待っていた。
