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ロイヤル&スレイヴ!

第4章 3.ウワサのあのコとあの4人


「クイーンを目指すとなれば、僕たちと生活を共にすることになります。
一番先に話しておくべきことが抜けていて申し訳ありません」


「は、はい?」


恭介くん。

さりげなく爆弾発言をしないでください。



「せ、生活を共にって…まさか…」

動揺しきっているせいで、ちゃんと口が回っているかすら怪しい私。

それでも、回して。
回って。

動いて、私の思考。


私は確かめる様に4人の顔を順番に見る。


もし、私が…その、プリンセスになるならば。


滝くんや、猛くん。

恭介くんや暁くんと…一緒に住む?


喉までせり上がってきた言葉は、羞恥心によって無理矢理抑え込まれた。

声に出さない代わりに、心の中で一人ごちる。


「はい。ロイヤルトップとプリンセスだけが暮らすことができる寮『ベルハウス』に、住まいを移していただくことになります」


以前、滝くんや猛くんが言っていたことを思い出した。

仲の良い二人が同じ寮に暮らしていると話を聞いた時は、なんて微笑ましいんだろう、とか。

どんな生活を送っているのかな、なんて穏やかに笑っていられたけれど。

穏やかに笑っていられたのは、私が第三者だったからで。


例えるなら、テレビの向こうの芸能人たちに憧れと興味を抱く、ミーハーなワクワク心。

私と彼らの住む世界は違っているはずで。

なのに、身分不相応な待遇の渦中にいる私。


とてもじゃないけれど、穏やかに笑っていられる場合ではなかった。

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