
ロイヤル&スレイヴ!
第4章 3.ウワサのあのコとあの4人
早退という名目だから寄り道は今度にしよう。
そう提案してみると、楓くんは残念そうだったけどすぐに了承してくれた。
じゃあ今度一緒に遊ぶための予習ね!と、
楓くんは、帰り道に通るお店で、おすすめの場所をたくさん紹介してくれた。
美味しいケーキ屋さんに、オシャレなカフェ。
裏通りにあるのはオシャレな雑貨のセレクトショップなどなど。
毎日通っていた道なのに、私の知らないことだらけで、ちょっとした冒険気分だ。
楓くんと歩く帰り道はいつもよりずっと時間が短く感じられて、
一緒に乗った電車もつい乗り越しそうになってしまったくらい。
他愛のない話をして歩いているうちに、気付けば住宅街に差し掛かり、私の住むアパートのすぐ近くにまで来ていた。
「本当におうちまで送ってもらっちゃった。
楓くん逆方向って言ってたのに、ごめんね?」
「んーん!僕が未結と一緒に居たかっただけ。今度は一緒に寄り道しよう!ケーキ屋さんとか、雑貨屋さんとか」
屈託のない笑顔の楓くんに、自然と私も笑みがこぼれて、うん、と頷く。
