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ロイヤル&スレイヴ!

第2章 1.ここが土鈴学園

始業式の放送は学園長の挨拶、理事長の挨拶が流れて終わった。

大体30分くらいだったかな。

あとはロングホームルーム。

学年通信のプリントに目を通して、一学期の行事の確認をしたり、クラスの係を決めたり。

委員会はクラス委員の二人がいるときに決めるんだって。

で、一斉清掃。

とはいえ、長期休暇が明ける前に清掃業者の人がすでにあらかた綺麗にしてくれていたみたいなので、自分の机の周りやロッカーを拭き掃除する程度だった。

ちなみに、普段は6限後に当番制で掃除があるとのこと。

いろいろやってると時間があっという間に経って、11時50分。

終業のベルが鳴って、解散。
結局、隣の番屋くんという人が帰ってくることはなかった。

先生が教室を去ると、ぱっと見えない波が広がっていくように賑やかになる。

部活に行く人、帰る人、仲のいいグループでお弁当を囲む人、おしゃべりする人。

私はというと、知っている人も仲のいい人もいないこの空間に、居心地の悪さをちょっぴり感じて、鞄を抱え込んだ。

最初の挨拶で、みんな変な顔してたなぁ……

なんて思い出すと、恥ずかしくなって余計に肩身が狭い。

「さーいぐーうー!」

突如、教室中に響き渡る私の名前。

何事かと教室に残っていたクラスメイト達がざわめく。

私ももちろんびっくりしてるんだけど。

きっと、皇城くんが迎えに来てくれたって……ことなんだよね?

「あれ、斎宮ってこのクラスじゃないの?」

廊下側の窓からひょっこり顔を出したのは、やっぱり皇城くんでした。

そして……
クラス中の女子の黄色い悲鳴が上がった。

「きゃあああっどうして皇城くんが!?」
「いやあ、かっこいいーっ!」「けどなんで斎宮さんの名前!?」

などなど、アイドル並の人気。

「あ、斎宮みーっけ。おーい!」

皇城くんが私と目が合う。

にっこりと笑顔でこちらに手を振ってくれた。

すると、皇城くんに集中していた視線が一気に私に集まる。

う……、心臓に悪いです……。

ひそひそと聞こえる声には明らかにいぶかしんだり不審がったりする色が強い。

私はなるべくクラスの女の子達と目が合わないように皇城くんのいるところまで急いで向かった。

教室の中にいるのも気がひけたので、廊下にまで出てしまおう。

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