
ロイヤル&スレイヴ!
第2章 1.ここが土鈴学園
外に出ると、今朝ぶりの皇城くんがいた。
そして……皇城くんの隣に、もう一人。眼鏡をかけた男の子が。
皇城くんとは違った雰囲気の人で、落ち着いた物腰というか、きちんと着こなした制服に涼やかな目元がぐっと大人っぽさを漂わせていた。清廉潔白、と言葉がぴったりだ、なんて勝手に思ってみたり。
「皇城くん!あ、ありがとう迎えに来てくれて」
「あ、いや」
皇城くんは困ったように笑う。
そして……泣きそうなくらいに顔をぐしゃぐしゃにさせて、勢いよく、ごめんのポーズ。
「斎宮、今日の学園案内なんだけどさー……。ごめん!出来なくなったぁ」
「そうなの?」
「うん、冷酷無慈悲なメガネ大魔王が、俺を過労死させるかのごとく無理難題を次々と――うおおお痛い痛い足、足ぃっっ!」
皇城くんは悲鳴を上げて、眼鏡をかけた男の子の方に思いっきり振り返った。
「思いっきり踏みやがったな恭介ぇぇ!」
「あなたが勝手なこと言うからでしょうが。生徒会長としての仕事、ギリギリまで溜め込むからこういうことになるんです」
恭介、と呼ばれた男の子が銀縁の眼鏡を押さえてため息を落とした。
皇城くんが青みかかった黒髪とするなら、恭介と呼ばれた彼の髪は、まさに黒。
濡れたように艶やかな漆黒の髪だった。
その髪といい、レンズの奥の涼しげな黒い瞳といい、知性という言葉がぴったりはまるような人だった。
「一ヶ月前から溜め込んだ仕事が、午前中の2時間や3時間で片付けられると思い込むのが甘いんですよ、滝は」
「仕事の鬼め」
「はい、光栄です」
二人のやり取りが余りに息が合いすぎるので、私は思わず笑ってしまった。
「仲、いいんだね。二人は」
「斎宮まで変なこというなよー。けど、約束のことはホントごめん」
そして……皇城くんの隣に、もう一人。眼鏡をかけた男の子が。
皇城くんとは違った雰囲気の人で、落ち着いた物腰というか、きちんと着こなした制服に涼やかな目元がぐっと大人っぽさを漂わせていた。清廉潔白、と言葉がぴったりだ、なんて勝手に思ってみたり。
「皇城くん!あ、ありがとう迎えに来てくれて」
「あ、いや」
皇城くんは困ったように笑う。
そして……泣きそうなくらいに顔をぐしゃぐしゃにさせて、勢いよく、ごめんのポーズ。
「斎宮、今日の学園案内なんだけどさー……。ごめん!出来なくなったぁ」
「そうなの?」
「うん、冷酷無慈悲なメガネ大魔王が、俺を過労死させるかのごとく無理難題を次々と――うおおお痛い痛い足、足ぃっっ!」
皇城くんは悲鳴を上げて、眼鏡をかけた男の子の方に思いっきり振り返った。
「思いっきり踏みやがったな恭介ぇぇ!」
「あなたが勝手なこと言うからでしょうが。生徒会長としての仕事、ギリギリまで溜め込むからこういうことになるんです」
恭介、と呼ばれた男の子が銀縁の眼鏡を押さえてため息を落とした。
皇城くんが青みかかった黒髪とするなら、恭介と呼ばれた彼の髪は、まさに黒。
濡れたように艶やかな漆黒の髪だった。
その髪といい、レンズの奥の涼しげな黒い瞳といい、知性という言葉がぴったりはまるような人だった。
「一ヶ月前から溜め込んだ仕事が、午前中の2時間や3時間で片付けられると思い込むのが甘いんですよ、滝は」
「仕事の鬼め」
「はい、光栄です」
二人のやり取りが余りに息が合いすぎるので、私は思わず笑ってしまった。
「仲、いいんだね。二人は」
「斎宮まで変なこというなよー。けど、約束のことはホントごめん」
