
ロイヤル&スレイヴ!
第4章 3.ウワサのあのコとあの4人
うう……。
私はやりたかった保健委員だし忙しいのは構わないんだけど。
猛くんにはやっぱり申し訳ないな。
一緒に保健委員やるって、言ってくれたのも私がやりたがっていたから気を使ってくれたんだと思うし。
なんて、もやもやと物思いにふけっていたのが見抜かれたのか、猛くんにおでこをつんつんと叩かれた。
階段降りてる時にボーッとすんなよー?と私に笑いかけてくれる。
「俺、未結と一緒にいる時間ができたから、そこに関しては保健委員になってラッキーって思ってんだぞ?」
階段を下りていた途中、猛くんは私の手を引く。
くい、とリードしてくれる優しさに私は思わず、頬が熱くなった。
猛くんの触れてくれる手はあったかくて、心地いい。
こんな私でも特別に扱ってくれてるって錯覚してしまうし、嬉しくなってしまう。
「猛くんって、優しいね」
ふふ、と私は自然に笑みが溢れる。
特別ではなかったとしても、彼の優しさが本当だっていうのはわかるから。
この一週間、滝くんや猛くんが気にかけてくれたおかげで、この学校の生活を楽しいって心から思えるようになった。
人と打ち解けるのが苦手な私が、こうして屈託なく笑うことができるのは、滝くんと猛くんがそばにいてくれるから。
本気でそう思うんだ。
「……優しくねぇし」
ぼそり、と顔を逸らして呟く猛くん。そのたどたどしい様子に、私は思わず、見つめてしまった。
背の高い猛くんを見上げる形で視線を向ければ、耳がちょっと赤い。
もしかして、照れてる、のかな?
