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ロイヤル&スレイヴ!

第4章 3.ウワサのあのコとあの4人


そう思うとなんだか嬉しいような、くすぐったいような気持ちになる。

猛くんがこんなふうにダイレクトに反応見せてくれるなんて、ちょっと意外だったから。

「こら、笑うな。わりと本気で恥ずかしいから、俺」

「なんか、可愛いなぁって思っちゃった」

「……男に可愛いとか言うもんじゃありません」

むぅ、と猛くんは眉間にシワを寄せる。

その表情も、可愛く思えちゃうんだけど、あんまり可愛い可愛い言ってたら怒られちゃうかな。

こんなふうに2人でとりとめもない会話をして保健室へ向かう道を歩いていたら、一階の廊下で楯無先生とすれ違った。

1年生の教室で授業があったのか、プリントや教材を抱えていた先生は、私たちに気づくと軽く手を上げて挨拶をしてくれる。

「毎度毎度、保健委員は大変だな。放課後まで拘束されて」

「うん、ほんと困る。柳也くんさ、おっさんにいい加減学校来いよって言っといて」

楯無先生の言葉に大いに頷く猛くん。

ホームルームの時にも「柳也くん」なんて呼んでたけど、先生相手に大丈夫なのかな……。

大丈夫じゃないよね、叱られてたし。

「お前はお前で担任を軽々しく名前で呼ぶな」

や、やっぱり。
でも、なんとなくだけどわかる。
猛くんと楯無先生が仲良しだってこと。

クラス自体が先生のこと好きって雰囲気だし、
先生もクラスの全員を大切に見守ってくれてるって感じるけど、
この二人は先生と生徒っていうより、友達みたい。

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