
ロイヤル&スレイヴ!
第4章 3.ウワサのあのコとあの4人
だからお互い砕けた態度でも付き合えるのかなって。
「少しは斎宮を見習って、お前ももうすこし俺を教師として敬え」
「別に未結が柳也くんを敬ってるとは限らないんじゃ」
「転入初日、わざわざかしこまって挨拶してくれた生徒は斎宮が初めてだったぞ」
二人の会話は友達みたいで、兄弟みたいで。
猛くんの隣で掛け合いを聞いていた私は思わず、笑ってしまった。
「二人ともすっごく仲良しなんですね」
見たまま、感じたままに述べてみたんだけれど、楯無先生は目を見開き「不本意だ」とひとりごちる。
「教師がこんな小生意気な生徒に軽口叩かれてるだなんて、俺は自分が情けないぞ」
「小生意気って俺のことー?」
猛くんの茶々には「当たり前だろ」と楯無先生が即座に返す。
これも息ピッタリ。
先生は自分が情けないなんて言うけれど、生徒とこんなに仲良く話ができる先生って素敵だと思う。
「私、生徒と対等な距離で接してくれるから、楯無先生のこと好きだなって思います」
嘘偽りのない素直な言葉。
本当に思ったことをそのまま口に出しただけだったんだけど。
目の前の楯無先生の顔はたちまち赤くなっていった。
「こら」
そしてなぜか、猛くんに額を小突かれてしまう。
「な、何?なんで叩くの?」
