
ロイヤル&スレイヴ!
第4章 3.ウワサのあのコとあの4人
「斎宮さん。わかってないね、自分の身分」
やれ。
感情なく冷淡に吐き捨てられた彼の言葉で、生徒たちがはじかれた様に動き出す。
そのうちの誰かが私の肩を掴んだ。
続いて、腕も。
たくさんの手が私の身体に絡みつく。
その瞬間、だった。
ぎゅう、と心臓を鷲掴みにされたような、激しい痛みが私を襲ったのは。
ドクンドクン、と心臓の波打つ音がどんどん大きくなっていく。
そして、胸からせり上がってくるのは、すべてを拒絶したくなるほどの嫌悪感。
いや。
やめて。
脳裏に一瞬何かが過る。
チカチカと、閃光が不規則に頭の中をかすめていく。
――薄暗い部屋。
――無理矢理に私を押さえ付ける、手。
怖い。
わからない。
でも、怖くてたまらない。
怖い、怖い、怖い、怖い――!
