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生きたいです

第3章  球技大会

 「ねぇ、優香。勝負しない?」

 ボールを真剣に見つめている。

 初めて見るよ。

 辰樹のこんな真剣な顔。

 「勝負?」

 「そう。球技大会のときバスケでクラスを優勝させた方の勝ち。どう?」

 「どう? って言われても。
  私そもそもバスケでるきないもん」

 「それって負けるのが怖いから?
  やる前から負けるかもとか怯えてたらそっちの方が感じ悪いよ」

 低い声で。

 月の光に照らされながら。

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