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少年探偵事務所

第18章 事実は小説より奇なり

まさに絶体絶命だ。
その時、

ヒュン!

何かが飛ぶ音が聞こえた。
相手がひるんだ隙に柊一は相手の腕を振りほどき全速力で走り、路地裏に身を隠した。
危機を脱した柊一は息を吐いた。

「危ないところだったな。名探偵の北条柊一くん。」

ハッとして顔を上げるとあの怪盗の『長木さん』が立っていた。

「俺が『矢』を放たなかったらどうなっていたんだろうね。」

柊一はしばらくキョトンとしていた。
白いTシャツに黒い上着にジーンズをはいた若い男性はどっから見ても普通の一般人にしか見えない。
誰がこの人を怪盗だと思うだろう?
でもそういう柊一も何処にでもいそうな学生だが探偵である。
お互い様だ。

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