
姉さんは僕のお人形
第8章 拷問
「麗奈は、泣き顔が一番綺麗だよ。もっと…泣けよ」
「……っ!?」
顔を手で覆って泣いていた姉さんが驚いたように顔を上げる
「あれ?泣き止んだ。俺的にはもっと泣いてほしいのに…そうだ、
前みたいにあんな事すれば、麗奈はもう一回泣くかな?」
優斗は笑顔だ。
でも、前のような笑顔ではない
歪んだ笑顔。
姉さんの顔が真っ赤になるのが分かる
「う…うるさいっ!大嫌いっ!」
「あ、姉さん!?」
姉さんは、周りにいた女子までも振り払うように走って、教室から出て行く。
「え、何…どういう事?」
「優斗君と何があったの?」
口々に言う女子の誰かに告げるように、僕は言う
「…姉さんの後、追ってくる」
そのまま返事も聞かずに、教室から出て行く。
