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姉さんは僕のお人形

第8章 拷問




姉さんは、さらに口を開く

「もちろん、少し前から気づいてた。冷くんが好きな事は。
でも、私達は双子。そういう関係になってはいけない。
好きって感情を持つのもいけない。分かってたよ、そんな事。
だから、どうにか好きって感情を消そうとした。
でも、無理な話よね…
同じ家に住んでるのだから。
嫌でも、顔合わせなきゃだし。
そう、無理だったの。
私、完全におかしくなっちゃった
好きって感情、抑えられないの
そんな自分が怖くて怖くて…
それならいっそ、思いを伝えた方が楽になれるって考えたの。
冷くんが受け止めてくれるかは分からないけど…
私、狂ってるの。優しくなんかないの。いい子ぶってるの。
大嫌いなの、自分が。
こんな悪魔みたいな私が」



思わず、口元に笑みが浮かぶ
別にあざ笑ったわけではない。

あまりにも似ているから…
姉さんの考えは、僕の考えと全く一緒だった。


「さすが双子だな。全く一緒だよ、姉さん。僕も同じ考えだ。
僕だって、優しくなんかない。
姉さんよりもずっと愚かで、残酷で…」


やっぱり双子は似るものなのか。
ここまで似てるなんて。

僕は、姉さんを責めたりあざ笑ったりしない。
だって、自分も同じだから。
悪魔が悪魔を責める理由がどこにある?




「姉さん」
「………?」

ぐいっと姉さんの腕を掴んで、自分の方に引き寄せる。

「言っとくけど、僕が好きなのは、結衣じゃない。結衣とは付き合っていない。結衣の勘違いだ。
本当に好きなのは…姉さんだよ」

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