
姉さんは僕のお人形
第8章 拷問
「え…嘘…」
「嘘じゃない。信じられないなら、信じるまで何回でも言うけど?」
姉さんの耳元で囁くように言う
姉さんの頬が赤く染まっている
「本当の本当に?兄弟としてじゃなくて、恋愛で?」
「もちろん本当だよ。そうだ、どうしたら信じてくれる?
出来る事なら何でもする。」
「えっ…う、うーん…」
姉さんはしばらく考え込み、やがて真っ直ぐ僕を見た。
しかし、なかなか言い出さない
「…?どうしたの、姉さん」
「あ、いや…えっと…」
顔を真っ赤にしている姉さんなんて、初めて見た。
ずっと一緒に過ごしていたけれど、姉さんが僕に見せたのは、
笑顔がほとんどだ。
泣いたり、照れたり、怒ったり…
そんな感情をあまり表していなかった。
無理をしているのではないか。
と、時々思っていた。
でも、そんな事聞けず日々だけが過ぎていく。
最近は、やっと色んな表情を見る事が出来ている。
実は泣き虫って事も分かったし
ほら、今も泣き出しそうな顔で僕を見て…って、え!?
「な、何で泣きそうなんだ?
僕、何かしたっけ?」
「ち、違う!恥ずかしくて…」
「…何が?」
「冷くんにしてほしい事。すっごく恥ずかしい事なの…」
恥ずかしい事といえば…
「…ハグ?」
「いや、それは可愛い方だよ」
「…キス?」
「あ…えっと…」
「まさか…普通のキスじゃない?」
「あ、ちょっ…」
「キス以上?さすがに今からはー…」
「ち、ち、違うわよ!キス以上なんか出来ない!私がしてほしいのは…普通のキスで…」
「そんな必死に否定しなくてもいいのに。」
キス、か…
別にキスなんてした事あるし、
恥ずかしくて出来ない!
なんて、情けない事にはならないけれど…
初めてだ。本当に好きな人とのキスは。
「…キスか。いいよ」
「え。い、いいの?」
「姉さんが頼んだんだろ?
ほら、こっち来なよ」
「わわっ、ちょ…」
姉さんの腕を引っ張り、自分の方に引き寄せ、自分と顔を向き合わせた
