
姉さんは僕のお人形
第9章 僕だけのモノに…
【冷side】
真夜中2時。
僕は眠れずにいた。
リビングのソファに座り、水を飲む。
姉さんとキスをした後から、自分がおかしくなっていく気がする。
何かの糸がプツンと切れた。
何なんだ、この気持ちは
もちろん、自分が姉さんを好きな事は分かっている。
兄弟としてではなく、恋愛で。
姉ではなく、一人の女性として。
でも、何かが違う。
好き、って気持ちだけではない気がする。
『私達は、二人で一つだからね!』
幼い頃に姉さんが言った、あの言葉。
無邪気な笑顔で…
僕も笑っていた。何の疑いも翳りもない笑顔で…
もうあの頃には戻れないのか?
僕は、すっかり歪んでしまった
戻りたい。
何も知らない、幼い頃に…
あの無邪気な笑顔を、見たい
でも、もう無理なんだ。
時間を巻き戻すなんて不可能だから。
じゃあ、今は何が出来る?
過去に戻れないなら、今をどうにかするしかない。
「…冷くん?」
「…っ、姉さん」
まさかこんな時間に起きてるなんて。
「まだ、起きてたんだ」
「えへへ…何か寝れなくて。
冷くんも寝れないんでしょ?
やっぱり似てるね、私達。」
姉さんはニコリと笑う
その瞬間、僕は自分の気持ちに気づく。
