
姉さんは僕のお人形
第1章 優しい姉さん
「姉さん」
「何?」
「何で僕の事、冷くんって呼ぶの?」
姉さんが少し困った顔になる
やばい…困らせた
しかし、姉さんはすぐ笑顔になる
「ごめんね!小さい頃から冷くんって呼んでたから…
なかなか治らなくて…冷くんって呼ばれるの嫌?」
やっぱり僕と同い年だなんて思わない
性格もしっかりしてるし、見た目だって…
って、何考えてんだよ僕は!姉相手なのに…
「そういう事なら…好きに呼んでもいいよ」
「ありがとー冷くん優しいね!」
優しいのは…姉さんだよ
僕は優しくなんかない
まあ、そんな事言えないけれど…
「~♪~♪~♪」
「あっ、電話だ…」
姉さんが携帯を取り出し、誰からなのか確認する
すると、姉さんの頬が赤く染まった
その顔を見た瞬間、誰からの電話なのか分かった
