
姉さんは僕のお人形
第5章 優斗の本性
姉さんが目にたくさんの涙を溜めたまま
大声で叫ぶ
「優斗くんは私の事なんか好きじゃなかった!
騙された私が悪いの!もう、それでいいじゃん。
二人は…親友でしょ?二人が殴り合いなんてするのを
見たくないよ!」
沈黙が流れる。
姉さんが叫んだところなんて見た事ない
それと、やっぱり姉さんは優しいなって
思った。浮気されたのに、こうやって止めようと
しているのだから
ふいに、優斗が胸ぐらを掴んでいる僕の手を
振り払い、姉さんに近づいた
姉さんが怯えた表情になる
優斗は、姉さんをジッと見つめていた
そして、無言でリビングから出て行った
