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。+゚僕は君に恋をした。+゚

第44章 思い出

「先輩はもう振り向くな‥」

前だけを見て歩めばいいから‥

幸せになれよ‥
幸せにしてもらえよ‥

しがみついている先輩を身体から離し俺は背を向けて歩き出した

5階のフロアの角を曲がった時

「一樹か!?なつめ君は見つかったのか?ハァ‥ハァ‥」

息切らした小野寺さんが俺の前に現れた ?

何で?

「寝てたんじゃ‥」

「気になって寝れる訳ないだろっ!!なつめ君はこの階にいたのか?!!」

一樹に首輪渡した時一樹の携帯にGPS登録したついでに自分の携帯にもGPS登録した事を思い出してなつめ君を必死の想いで探す一樹を追いかけた

なつめ君はこの階にいるはずだった

「先輩とは…終わったから‥もういいんだ‥」

「終わった?」

俺の横をそう言って通り過ぎようとした一樹

「ちょっと待て!どうゆう事だ‥説明しろ!!」

説明しろと言って俺の肩をグッと掴んだ小野寺さん

説明って俺の口から言わす気かよ‥

離せよ‥

愛し愛されずっと信じていた人が実は心の中では、それを苦痛に感じていて喧嘩した時溜まりに溜まった物が爆発して浮気されましたって言えってか!?

冗談じゃない!

「一樹!」

「うるせーな!!ほっといてくれよ!アンタに関係ねーだろ!!触んなよっ!!」

シマった!
小野寺さんに八つ当たりするつもりはなかった

小野寺さんを見たら振りかざされた手が見え

思いっきり殴られた俺

一瞬の出来事だった

殴られた勢いでフロアの角から長く続く廊下に殴り飛ばされてしまった身体

先輩に平手打ちされ、小野寺さんには殴られるし先輩がまだいるかも知れないフロアにぶっ飛ぶって
どれだけ俺は情けないんだ‥

殴られたほっぺたを触ると唇が切れたのか手に血がついた

「立て」

まだ殴る気かよ‥

助けてくれた小野寺さんに楯突いた俺が悪いんだ

俺はゆっくり立ち上がった

胸ぐら掴んできた小野寺さん

「殴るなら殴ってくれよ‥殴って先輩を俺の中から消してくれっ‥ゥ‥!!」

この時初めて流れた涙

小野寺さんに殴られたから出た涙じゃない

先輩と‥。

あんなに愛した心から愛した先輩と本当に終わってしまった哀しみから出た涙だった

「一樹‥よく聞けよ。俺はお前に何と言い聞かせてきた?答えろ?」

「何って‥ッ‥」

「俺とお前は何だ?」

真っ直ぐ俺を見て言ってくる

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