シアワセ∞経路
第6章 止まらない気持ち
「……帰りたくない」
「帰らないとダメだろ。風子の親が心配してるぞ」
「心配なんてしてないよ!どうせ帰っても誰もいない、私一人なんだから」
「俺も家では一人だけど、風子はまだ中学生なんだから家に帰るんだ。それに、離れてても子供のことを心配しない親なんていない……と思う」
どうしてそう言い切れるんだろう。
ソラだって、親に反抗したい歳頃なのに……。
「そんなことないよ……。うちのママは、他の男の人に夢中で私のことなんか全然見てくれてない。それに、出て行って帰って来ないし」
「だったら、お父さんはどうなんだよ。仕事が忙しくても、ちゃんと風子のこと気にしてるんじゃないの?」
「パパは……まだマシかもしれない。でも、今週は帰って来れないみたいだし」
料理も洗濯も上手くできなくて頼りないけど、私には優しかった。
時間が合わなかったり、仕事が忙しくて帰ってこなかったりで最近会っていない。
だからと言って、パパが家にいても私は家出してたと思うけど。