シアワセ∞経路
第20章 After Story
「はい。大丈夫?」
――………!
「……ありがとうございます」
「生徒会長ー!なにやってるんですかー!さっさと来てくださいよ」
「分かったよ」
他の男子に催促されいるその人と離れた。
あっという間の出来事だった。
この学校には、いい人がいるんだ。
だけど、親切な人なんていくらでもいる。
それなのに自然と気になって、去っていく彼に視線を向けてしまう。
初めて見た人なのにどうしてだろう。
顔をしっかりと覚えておきたいのに、一瞬しか記憶が残らず消えてしまった。
唯一、覚えているのは優しい雰囲気と心地いい声。
そのまま立ち止まって、ふと窓の外に視線を移した。
私が後を追ってこないのを心配して、女友達が戻って来て話しかける。
「風子、大丈夫?なにかあったの」
「ううん。なんでもない」
いつも通りの笑顔で返事をして歩き出した。
失った大切なモノに向かって
シアワセになるために前へ進んでいく……――
**After Story END**