シアワセ∞経路
第7章 釣り合わない天秤
雑誌コーナーで、可愛い小物の付録が付いたファッション雑誌をパラパラとめくる。
見つけた恋愛トークコーナーには同じ年代くらいの女の子の投稿ばかりで、彼氏との出来事が沢山載っていた。
うう……、リア充だらけ……。
これは今の私が見るべきページではないと心が判断したのか、自然と眉間にシワが寄る。
「悩む乙女の彼のこと相談室……?風子ちゃんも彼氏のことで悩んでるんだー」
不意に後ろから声を掛けられて、肩がビクッと一瞬上がった。
その人はいつの間にか隣に来ていて、私の顔を伺ってくる。
そして数ヶ月ぶりに聞く、大人っぽい雰囲気があって男らしい低い声。
「なっ……!颯太さん!?」
「風子ちゃん、久しぶり!元気だった?」
整った顔立ちで爽やかな笑顔を向けてくれる颯太さんが、こんなにも近くにいる。
それを知った私の体は、一気に熱くなった。
イケメンである颯太さんと顔を合わせると、無意識に顔が熱くなってしまう。
あっ、颯太さんとは次元が違かったんだ。
だからこんなにも……。
とりあえず変な汗をかいてるのが、バレてないといいんだけど。