シアワセ∞経路
第8章 危険な勉強会
平々凡々の私が女の子にモテる颯太と釣り合わないのは分かってるけど、そんなにハッキリ言わなくても……。
でも恋心を寄せているのは颯太じゃないから、別に何を言われてもいいけど。
「こんなこと言われてびっくりしたでしょ?」
「まあ……」
私のことに関していつも肯定してくれていた。
だからこそ、ばっさりと言われた言葉が突き刺さる。
「でも颯太には美人が似合うもんね!私みたいな地味な女は似合わないのは十分に分かってる」
きっと颯太のことをよく知っているソラから見ても、歴代の彼女に私は匹敵しないと思っているんだろう。
悔しいけれど、女の子として可愛くないって自覚はある……。
「……そういう意味じゃないよ」
街灯の微かな光を遮るほど大きなトラックが車道を通って行った。
大きな走行音のせいで肝心な言葉を聞き逃してしまう。
「――……て…欲しくないから」
「えっ、なに?」
「……いや、何も言ってないよ」
一瞬だけ遮られた街灯の光が戻り、薄暗い中だけどソラの姿が見える。
その表現はどこか安堵しているように見えた。