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シアワセ∞経路

第10章 未来へ続く思い出

卒業式の帰り、とぼとぼと自宅に続く帰り道を歩いていた。

この道を歩いて帰るのは今日が最後になるかもしれない。


振り返ると思い出がたくさん頭の中に蘇ってくる。
どれも今となっては懐かしい記憶。



古びた街灯の近くでピタリと立ち止まった。
まだ正午だから光は灯されていない。

前にここで泣いたっけ……。


そして、ソラが言ってくれた。
“居場所になるからそれ以上泣くな”って。



この世に奇跡があることを知ったように、すごく嬉しかったのを覚えてる。

この場所は私の救われた場所でもある特別な場所。



柔らかな春風を感じていたら、その風がまた“特別”を運んで来てくれた。

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