シアワセ∞経路
第3章 私の居場所
「行こっ、佳菜美」
佳菜美ちゃんを見かけたと同時に、私のことを無視する。
「そうねー。女子みんなで、実験室に行きましょう!あたしもどこにあるかまだ分からないし。
小神さんは教えて貰ったから、一人でも来れるよね。あははっ」
私の次に来た転校してきた佳菜美ちゃんが、教室に残っていた私以外の女子に話し掛けた。
すでにクラスに溶け込んでいて、いつでも周りに複数の女子がいる人気者。
クラスの女子は、佳菜美ちゃんと共に教室を出て行った。
“大名行列なんですか”ってツッコミを入れたくなるくらい。
あの大名行列と一緒に行きたかったんだけど、置いていかれてしまった。
一方、私はいつも隣にいてくれる友達がいなかった。
さすがにこれは寂しいかな……。
そんな気持ちがどんどん膨らんでいる毎日。
私だって友達とガールズトークをしたり、どこかに遊びに行ったりしたい。
だけど授業のことか無難な話でしか、クラスの女子と話したことがない。
もちろん、悪いことをした記憶はない。
それなのにどうして話し掛けても素っ気なかったり、沢山話して貰えなかったりするんだろう。
それだけじゃない……。
クラスの女子、皆が私のことを避けている気がする……。
転校初日に、親切にしてくれていた面影はもうない。