シアワセ∞経路
第10章 未来へ続く思い出
「失礼します。……またね」
パパとの話が済んだ後、ソラが私に優しく微笑み再会を告げて帰って行った。
さっきのことを知ったせいで、いつも弱音を吐かないソラの背中がどこか寂しそうに見えた。
このままでいいの…?
私の身勝手な願掛けのせいで次に会えるのは二ヶ月後になる。
それをソラは知らない。
このままでいいの…?
本当はもっと話していたい、遊びたい。
何より……一分一秒でも一緒にいたい。
でも追い掛けてなんて言おう…。
会えないことを教えたいけど、教えちゃったら願掛けの意味がなくなってしまう。
そう思うと走り出せなかった。
神様に頼らないと告白できないほど、友達以上に勇気がないんだ。
見上げると澄んだ夜空に無数の小さな星が銀色に輝いていた。
ソラもこの綺麗な星を見てるのかな。
勇気がなくてごめんね……。
でも次に会った時は頑張るから待ってて……。
今日は忘れられない幸せな卒業式だった。