シアワセ∞経路
第12章 失うものと告白
吹き付けた風で、セミロングの髪が顔にかかる。
その人と近づく前に、乱れた髪を一刻も早く整えた。
「風子、久しぶり。待ち合わせ前に会っちゃったな」
落ち着いたトーンで話しかけてきた彼は今日告白する相手のソラだった。
二ヵ月間ずっと顔を合わせていなかったのか、以前のように自然と目を合わせることができない。
前髪が少し長めのショートヘア―も、スラッとした体型も変わっていないけれど、少し身長が伸びたような。
「ひっ…、久しぶり。なかなか会えなくてごめんね」
「ううん。俺の方こそ入学したばかりで忙しそうなのに誘ってごめんね」
「そんなことない。会いたいって言ってもらえて嬉しかったよ」
素直な気持ちを言ったら、ソラが優しく微笑んでくれた。
やっとメールの文字だけではなく、自分の口から伝えられて罪悪感が飛んだ気分。
「もしかして、これからお参りに行くのか?」