シアワセ∞経路
第12章 失うものと告白
「うーん……」
告白する前のお参りに行く直前に、その相手が現れるってこんな展開は予想外だった。
ここで待っててもらって、お参りした後に告白……?
それはちょっと違うような。
考えに息詰まっているのが顔に出ていたのか、ハッと気づいた時にはソラが心配そうに私を見ていた。
「大丈夫……?」
「だっ…、大丈夫!ただなんとなく、ここに来ただけだから」
選択する余裕もない私は、適当にごまかすしかなかった。
「えっと、ソラはお参りに行ってきたんだね」
「ああ。ちょっとね」
ソラはチラッと神社の方に少しだけ目線を向けた。
何のお願いをしたんだろう……。
それともただのお参り……?
いきなり手のひらにぽつんと水滴が一粒落ちてきた。
雨が降ってくるのを感じているのか、周りには歩いている人がいない。