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シアワセ∞経路

第12章 失うものと告白





足が濡れるほどの水たまりを踏んでも気にならなかった。






雨が降るなんて天気予報で言っていなかったから、傘も持っていない。







神社から遠ざかったあたりで、立ち止まって泣いた。










こんな気持ちになるなら告白しなければよかった。








今までのまま、変わらないでいればよかった。









……その方が幸せだった。










涙を止めたいのに、全然止まらない。









苦しいよ…………。









その場で立ち尽くして、雨にずぶ濡れになっている私にそっと黒い傘が向けられた。









「……賭けはオレの勝ちだな」










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