シアワセ∞経路
第12章 失うものと告白
黒い傘を持っている人を見たら、颯太だった。
私のこの状況を見て、告白がどうなったのか理解したようだった。
そういえば今日、告白するって話していたっけ。
「颯太……。どうして……」
「ここの神社の願掛けは、告白する前にお参りしてからするやつが多いみたいだから。それで来てみたら見事に当たりだったわけ」
「……」
振られちゃった、終わっちゃった、どれを言おうかと考えていた時に傘が下に落た。
この前よりずっと優しく颯太に抱きしめらた。
居場所を失った私を受け入れてくれるかのように、大きな手で抱き寄せてくれる。
「……泣きたいだけ泣いてすっきりしたら?」
「うっ…、ううう……」
さっきよりも涙が目に浮かんでくる。
少し泣いた後、颯太は私の背中に回していた手を肩に持っていき、顔を覗き込んできた。