シアワセ∞経路
第12章 失うものと告白
目が合ったそのあとに、少し強引に唇が触れた。
頭がうまく回らない状態の私は、彼からされたキスを拒否することなくすんなりと受け入れる。
キスって、こんなに繋がっている感じがするんだ……。
瞼をゆっくりと閉じて、また一粒の涙が落ちる。
今まで颯太は私にとっていいお兄さんであって、何でも話せる友達。
異性としてちょっと意識していたところもあるけれど、一線を越えたら前のようには見れなくなるんだろうなと心の中でそっと思った。
颯太も自分の恋愛が上手くいかなくて辛い思いをしている。
お互いの恋の痛みを分かち合えばいいってことなのかな……。
それに、賭けに負けたんだから、もうどうなってもいい。
この痛みを忘れさせてくれるならなんだってする……。