シアワセ∞経路
第13章 消えない痛み
いつもの居場所を失ってから数日が経った。
未だに告白の時の光景が、はっきりと記憶に刻まれている。
頭の中からすべて消したいのに、少しも消えない。
失恋の痛みから立ち直れない日々が続く。
そんな気持ちとは裏腹に雲一つないくらい晴れている日の放課後、颯太の家に遊びに来ていた。
ひとりで来るのは初めてで、さらに部屋に二人っきりの状況。
足も崩せずきっちりとした正座をしてしまうほど緊張している。
「一回遊びに来たことあるのに緊張しすぎだろ。借りてきた猫なのか」
「にっ…、にゃ~……」
「そういうのいらねえから、いつも通りにして欲しいんだけど」
「はい……」