シアワセ∞経路
第13章 消えない痛み
いつの間にか閉じていた目を開けたら、ベッドに一人で横になっていた。
急に襲ってきた眠気で、三十分くらい眠っていたようで。
体の向きを変えると、ベッドに背中を向けて座っていた颯太に気づかれて目が合う。
「ごめん。寝ちゃってた……」
「もっと寝てて良かったんだけどな」
ゆるんだ顔で、頭を優しく撫でてくれてホッとする。
その言葉に甘えて、また目を閉じてもう少し休ませてもらうことにした。
「風子って可愛いよな」
「なっ…、なに?」
いきなりの甘い言葉に、休めなくなって口元がゆるむ。
「寂しがり屋だけど、仲のいい奴のことは信用して疑わないところとか可愛いなって。だから風子は好きな方」
好きじゃなくて、"好きな方"か……。
でも良かった。
好きじゃない女には入らなかったってことなんだ。